録画番組の解消に向けて

 皆さんご存じのとおり、最近のテレビはHDDをUSBで接続するだけで簡単に録画することができるので非常に便利である。

 

 しかし、便利であるが故に気になった番組を片っ端から録画し、結局見る時間も気力もないまま、年末になって大量に削除するという悪循環を引き起こしてしまっているのは悲しいことだ。

 

 ひと昔前であれば、ビデオテープ(VHS)というものが録画の主流で、標準録画であれば120分、3倍録画であれば360分録画することができたと記憶している。

 

 今から思えばビデオ録画をフル活用したのは小、中学生の頃で、約20年以上も前の話のことである。何と月日が経つのがはやいことか…。

 

 我が家では数年前からタイムシフト録画機能を備えたテレビ(レグザZシリーズ)を使っている。これはなんと任意の6チャンネルを約1週間分まるまる録画できるという優れものだ(今では当たり前なのかもしれないが…)

 

 このタイムシフトマシンにかかる設備投資に当たって、テレビ本体よりもHDD(通常録画用&タイムシフト専用)のほうが価格が高いというのに当初は驚いた…。

 

 あと、機器の使用頻度であるが、タイムシフトマシンを購入当初はフル稼働(24時間×7日間)というブラック企業もビックリな使い方をしていたせいか、最近は録画していても途中の数秒録画できていなかったり(CDでいう音飛びみたいな感じ)、そもそもテレビモニターが映らなかったり(音だけは聞こえる)、テレビなのにラジオ状態で使用するシーンが結構多く、見たい時に見られないストレスを少し感じている今日この頃である。

 

 (上記でタイムシフトのデメリット的なことを羅列してしまったが、普通の録画機器と異なり、自動的に全チャンネル(任意のチャンネル)を録画してくれるのでニュースの気になるところだけピックアップして見るのにはとても便利である

 

 ここで、どうして人は自分が視聴できる限界を超えて録画してしまうのか、録画した番組を消費せずに溜めてしまいがちなのかを考えてみたい。

 

 まず、原因の一つは冒頭にも挙げた、簡単に録画ができてしまうという環境。今は連ドラ予約というものがあり、連続ドラマや、ドラマ以外でも週に一回放送するような番組(毎日放送する番組でも)も毎回録画できてしまうという優れた機能がある。

 

 こうなると例え毎週見ることはなくても、自動的に全話録画が可能となり、昔みたいに「月曜日の夜9時には家に帰ってテレビを点けなければいけない」みたいな焦りは無くなり、「よっしゃ、暇な時に一気見してやるぞ!」と楽しみが増えるのである。

 

 ただ、これは買い物症候群と同じようなものだと思う。その時は欲しいと思って購入するのだが、いざ買い物袋を持って家に帰ると、その後買ったものを開封することがない。さらに下手をすると買った事実さえ忘れてしまうという事態に陥ってしまう。これと同じようなことだと思う。おそらくこれは一種のストレス発散であり、その時は楽しみで見たいと思って録画するも、結局録画することで満足してしまい。その後は全く手つかずとなり負の遺産以外の何物でもなくなるのである(少なくとも自分の場合はこれに該当する)

 

 では、どうすればこういった事態を防ぐことができるのであろうか?

 いや…一見するとこれは負の遺産を増殖してしまう無駄な行為に思えるのだが、これはむしろストレス解消に一役買っているので無駄な行為とは言い切れないのではないか?

 

 であるとすると、録画する行為まではOKで、問題はその後である。

 結局、録画したものを1秒も見ることなく終えるのであれば、いつ削除するのか…どうやって見切りをつけるのか…一定のルールを作るのがよいと思う。

 

 例えば、「1ヶ月一度も再生することがなければ思い切って消してしまう」とか「HDD容量が50%を切ったら強制的にいずれかの番組を削除して50%以上の容量を空けなければならない」など自分なりに実行しやすいルールづくりを行うのである。

 

 私の家の場合は、録画番組を溜めてしまうと怒る人がいるので、ある程度溜まった時点で強制的に削除することになるのだが(笑)

 一度勝手に消されたこともあるし、HDDの不具合で全部消去されたこともある。

 

 もしかすると、アダム・スミスの「神の見えざる手」のように家庭の平和を守るために自動調整機能が働いたのかもしれない(笑)